返品調整引当金の仕分けでなぜ「仕入」?
返品調整引当金についてです。
前期に販売した商品の売上戻りがあった場合の仕分け
(借方)仕入
返品調整引当金
(貸方)売掛金
この仕訳でなぜ借方が仕入なのか?
これについて説明できたらと思います。
まず返品調整引当金とは・・・。
出版社を想像してください。
出版社は本屋に本を卸すわけですが、卸した本が売れなかった場合に出版社に返品出来るという契約をしていることがあります。
このような将来の返品に備えているのが返品調整引当金です。
仕訳について
今期の話ですと返品があれば
(借方)売上☓☓ (貸方)売掛金☓☓
売上の時と逆仕訳をすれば良いのですね。
ただ「引当金」は前期以前のものについての備えです。
今期に売上があったのでは無いので「借方に売上」が出来ません!!
そこでどうするのか。
商品(本)が返品により戻ってきます。
戻った商品をどう仕訳するか??
売上の勘定科目が使えないので(売上は前期です。今期の売上に対する返品ではありません)売上をマイナスにするのでなく
商品を原価で仕入れた事にします。そして利益部分(原価+利益で本屋へ売っています)に引当金で充てるのです。
これで前期に売り上げた「原価+利益」の金額は全額マイナスになり返品が仕訳出来ました。
返品調整引当金は返品に対するものと思うので若干混乱があるのかもしれません。
この引当金は返品の商品に対する引当金ではなく本質は返品の「利益部分」の引当金なのです。
返品の利益に対する引当金の設定なんだー。と思ってもらった方がすんなりと理解できるかもしれません。